【カオサン通り】19年秋からリニューアル工事!改修後は21時に露店閉店か?現地タイメディアが伝える
【カオサン通り】19年秋からリニューアル工事!改修後は21時に露店閉店か?現地タイメディアが伝える
19年10月から改修工事
タイの首都バンコクにある、有名観光地「カオサン通り」が大きく様変わりしそうです。
現地メディア「バンコクポスト」によると、バンコク都庁(BMA)が2019年10月~20年2月の間、4,880万バーツ(約1憶7,000万円)を費やして約400メートルの通りを大幅に改修します。バンコク副知事が工事の決定を発表しました。
また営業時間や出店数、配置などに関する制度が大幅に変更され、改修後には露店が午後9時ごろに閉店されるという情報もあります。
「バックパッカーの聖地」として、世界中の旅行者から親しまれてカオサン通りは、モダンでお洒落なレストランやバー、ホテルなどが近年立ち並び、かつての面影はほとんどなくなりつつあります。あの"カオス"な雰囲気は、このまま一掃されてしまうのでしょうか?
改修の経緯や目的は?
改修の主な目的は、バックパッカーの拠点としてのカオサン通りの地位を、"本物の国際的なウォーキングストリート"に格上げすることだといいます。
改修に当たっては、居住者や旅行者らが歩きやすいように通りを再調整し、さらに店側へ一定の販売スペースを割り当てるなどします。
カオサン通りビジネスアソシエーションの社長で、バディグループCEOのサンガルアンワタナクル氏によると、新しいカオサン通りは、露店や店主にとって商売しやすい環境になり、店側と居住者双方の議論が緩和されることを期待しているといいます。
同メディアによれば、歩道や道路にせり出して商売を行う露店に対し、カオサンの居住者が度々不満を漏らしていました。
改修に対しては不満も
改修工事に対しては、もちろん喜ばしい意見だけではありません。同CEOは「このプロジェクトはハイシーズンで1日当たり40,000〜50,000人の観光客が訪れるカオサンロードのキャパに影響を与える。またローシーズンの客数は、20,000に減少するだろう」などと、同メディアに語っています。
実際、ハイシーズンでの訪問客減少や改修工事に頭を悩ますバディグループの観光部門は、第2四半期で低調な業績に陥ったとのこと。
カオサン通りで大規模なホスピタリティビジネスを展開する同グループ200室のホテル占有率(昨年)は、80%から60%に低下。また、オンラインの旅行代理店に対する価格調査については、客室料金(シングルルーム)が、2,000バーツから1,500〜1,600バーツに減少したといいます。
これらの現状に対して、同CEOは「客室料金が下がっているがハイシーズンではまだ希望がある。BMAは、このプロジェクトのスケジュール変更を検討してほしい」などと、改修工事の開始時期へ不満を漏らしています。
首相や副知事の肝入りで進む改修プロジェクト
「カオサン通りは改修するに値する。そして新しい通りは、(改修後も)これまでの魅力を失うことはない」サコルティー・パティヤクル副知事はこう断言し、「カオサンはよりきれいにより美しくなり、このエリア一体の建物や景観に合致したもになるだろう」とも語っています。
同メディアによると、元々このプロジェクトは国の歴史的ランドマークゾーンとして知られるラタナコシン地域開発の一端で、プラユット首相の方針に沿ったもの。このためBMAは改修の終了後、同様の景観開発をランブトリ通りやタニ通り、クライシ通り、シップサムハン通り、タナオ通り、チャクラボン通りを含む隣接する道路にも拡大する計画だ。
プラユット首相は、改修は地元企業を混乱させることはないとし、「請負業者は部分的に改修工事を行うため、観光客は通常通りカオサンに訪れることができる」などと、副知事と足並みを揃えています。
リニューアルの全容
カオサン通りを"本物のウォーキングストリート"にすることを狙い、BMAはさまざまな施策を実行します。
まずは歩きやすい歩道を目指し、改修工事では花崗岩タイルを用いて歩道を修復します。また、約1.5×2メートルで区切った販売スペースを路上に設定し、1~2年更新の販売ライセンスを各露店に付与。現在営業している露店約240~360店舗は、新制度の下そのまま営業を続けるといいます。
さらに、車が道路に入るのを防ぐことを目的として、高さ60センチの折りたたみ式ステンレス手すりを設置。午前9時から午後9時までの間、車の侵入を規制する計画です。
BMAと警察は共同し、カオサン通りで販売される商品が偽造品や海賊版商品ではないかどうかもチェックします。
※カオサンロードについては、以下の記事でまとめています。